今回は札所五番から六番への巡礼道についてでですが、その前に前回の補足を書きます。
眺めのいい田園道は武甲山が前に見えて眺めのいい道なのですが、こちらは江戸巡礼古道ではありません。
このまままっすぐ行って横瀬町の町民グランドのところに突き当たってから右に曲がると、江戸巡礼古道との合流地点に行きますが、その前に畑道にもいくつか曲がり角がありますので、そこから江戸巡礼古道に戻ることができる場所もあります。
このまま「眺めのいい道」を歩くなら、町民グランドの突き当りを右で巡礼古道に戻るのではなく、左に行きグランドの横を通って、寺坂棚田を見てから江戸巡礼古道に合流する、という方法もあります。
眺めのいい道とともに、寺坂棚田も一度は見ておくといいと思います。
さて、札所五番の語歌堂前の江戸巡礼古道の道に戻ります。
札所五番の前の道、四つ角にある馬頭観世音の石碑を見ながらスタートです。
このまま札所五番の語歌堂の前の道を直進していくのが江戸巡礼古道です。
まっすぐ歩いていくと、大黒天の石碑が右手に見えます。ここは二又の道になっていますが、直進します。
さらに歩いていると、三叉の道になりますが、道なりにまっすぐ歩いていきます。
まっすぐ歩いていると右手に「札所のみち」の石碑がみえます。隣にも石碑があるのですが、何なのか。供養塔かと思ったのですが、近くに馬頭尊の石碑があったと言われてましたから、馬頭尊かもしれません。左手からの道が通っていて、その突き当たりの場所にありました。
さらに歩くと横瀬グランドがみえます。そこには看板があって車の行く先を指していますが、その横に「巡礼道」の札もあります。
余談ですが、先程書いた武甲山がよく見える「眺めのいい道」を歩いて来たならば、横瀬グランドのところで、この道に合流しますが、先程の眺めのいい道を通った人は、江戸巡礼古道を通らないとしたら、左に歩いて、写真スポットとして有名な寺坂の棚田を見ながら歩く人もいます。
さて江戸巡礼古道ですが、田端商店の二又道は左の道を歩き、横瀬町の町民グランドに沿っていきます。町民グランドが終わるところに少し変則的な四つ角があります。
その四つ角にあった「中みち」と書かれた道しるべ石です。明和四年の銘で、下には「六番」と「七番」と書かれています。
ここには、他にも石碑があります。横瀬町が置いているカワセミがてっぺんに乗っている道案内の木もあります。
その「中みち」と書かれた石のそばにある石です。高篠村という文字が見えます。
中みちの石から少し歩くと公民館のような場所があり、その敷地に地域で守っていると思われる神社らしきお社がありました。
さらに歩いていくと、横瀬川のあるT字路に突き当たります。そこには、横瀬町の道案内のほかに、心求・はまの道しるべ石があります。「ひだり 六ばん」の道しるべ石です。横瀬町の道案内には「徒歩道」と書かれていて車は通行不可です。
ここを左に曲がります。しばらくは車も通れるほどの広さがある道なのですが、結局は徒歩だけの道になります。じきにカワセミが上についた道案内番がありまして、そこを右に入っていきます。
ここからは徒歩の道、川沿いの道になります。地元では「よこっぴき」と呼ばれる道です。「よこっぴき」は川そばの細い町なのでこの写真にもあるように車の通行は不可です。
「よこっぴき」にあった「札所への道」です。
「みぎ五ばん語歌堂 ひだり七番法長寺 六ばん卜雲寺」と書いてある道しるべ石です。
よこっぴきからの眺めです。崖の上なので横瀬川を見下ろすことができて眺めは良いです。反対側は崖になります。
これが「よこっぴき」の道の感じです。徒歩道というのがわかるかと思います。
「よこっぴき」が終わるところで、反対側の入口から写真を撮ってみました。
「よこっぴき」を歩いていくと、横瀬川まで降りていける道もありますが、川遊びで通ったのではないので、ここを直角に曲がり左のほうへ歩いていきます。
「よこっぴき」から出てまっすぐ歩くと、またカワセミが上に乗った道案内(横瀬町の案内はカワセミが乗っています)です。今歩いてきた五番への道は、「よこっぴき」を歩くので(歩道)と書かれています。車は入れないということでしょう。
巡礼古道は、この「6・7番」のほうへまっすぐ歩きます。この写真でも見えますが、写真スポットとして知られる寺坂棚田へは、ここを左に曲がってこの先100メートルほどです。
先程の「眺めのいい道」から寺坂棚田を歩いて見てきた人はここまでくれば、ここで江戸巡礼古道に合流できます。
ここからは、下り坂になります。石が割れていますが、「みぎ六ばん」の道しるべ石です。
坂を下ると、苅米橋を渡ります。この橋を渡ると林になっていて薄暗いです。
橋を渡ってから少し坂を上るようになり、左手の角に比較的新しい道しるべ石が見えました。「札所へのみち 右 六 七ばん 左 村みち」と書いてあります。
ここから少しあるくと、平沼建設という会社が左に見えて、その裏手に札所六番の荻野堂の跡地とされる場所があるというので立ち寄ってみました。
見えるのは、お墓がいくつかあるだけでした。空き地のような場所がその跡地なのでしょうか。
巡礼古道に戻ります。ゆるく左にカーブする道になりますが、二又のところは左に進み道沿いに歩いていきます。資料によっては、ここで分かれて七番へ行った人もいたようですがすぐ後で書く萩原商店の前で七番と六番への道が分かれていたようです。
そこから歩くと変則的な四つ角があって、そこを右に曲がります。
その四つ角には、矢印がついた道案内があるので、それに従って歩きます。
その角にある2つの道しるべ石です。ひとつには「右七番」と書いてあります。
もう一つは「札所へのみち」となっているようです。草で覆われていますが、「右 六・七番」となっているのでしょう。
しばらく歩くと萩原商店がみえます。商店の脇には、大きめの道しるべ石がありました。
萩原商店の横にある大きな道しるべ石です。ここで六番と七番のどちらを先に行くかが分かれる分岐点になります。
写真だと「八ばん」の文字がみえにくいですが、「ふきぬけ」の文字は見えました。
この道しるべ石には、「みぎ七ばん ひだり 六ばん」脇にほうに「八ばん ふきぬけ」と書かれています。
萩原商店の脇道へと左に曲がり細い道を歩きます。
しばらく歩くと、T字路の突き当りにビニールハウスがあって、その前に墓石を兼ねた道しるべ石があります。
正面の右のほうに「六ばんミち」と書かれています。後は「祖国」とか文字が見えますが、墓石なのだそうです。
突き当りを右に曲がると、まだビニールハウスは続いていますが、そこに、「右 六ばん」の道しるべ石があります。三角っぽい形をした石でどっしりしています。
先程の墓石を兼ねた道しるべ石とは、すぐ近いことがわかります。この写真に見えるビニールハウスのお向かいにある家は以前の巡礼宿だったそうです。
さらに直進するとまたT字路で突き当りになり、目の前に比較的新しいと思われる「札所へのみち」の道しるべ石がありました。これは「右七番 左六番」と書いてあります。
ここを左に曲がります。さらにまっすぐ歩いていきます。
四つ角のところに、「かどや」というお店があって、そこに横瀬駅だとか札所だとかの案内板があります。札所6番はまっすぐ先に、札所7番と9番そして横瀬駅は今歩いてきた道、右に行くと「札所8番」という道案内板です。
その下には、道しるべ石があります。「ひだり六番道」と書かれています。
この四つ角も直進していきます。さらにまっすぐ歩くと、二又道になり、そこを右側の道を歩いて行きます。二又のところには、看板もあり、こちらの道を歩く、ということはすぐにわかりようになっていました。
ここは沢沿いの道となっていて、小川が流れています。途中で橋があり「巡礼道」の案内がありました。その下にも道しるべ石がありました。これは「右八ばん 左六ばん 道」と書かれています。
この石からみて左となる道は沢沿いの道です。
「五番→六番→七番→八番」という順打ちのほかにも、「五番→七番→六番→八番」のコースもあって、七番が先のほうが近道ルートだったと言われています。
七番で先に納経を済ませた人たちは、六番で参拝を済ませたらここまで戻って、沢を渡って、次は八番へと向かっていたのです(近道ルート)。それで石にも「右八ばん」と書かれています。
沢沿い道はわかりにくいのか、手書きの案内板とさらにもう一つ案内板がありました。
沢沿いの道から見えにくいうえに、左に上っていくからでしょうか。
ここの入口から坂道を登っていくので「左上」と手書きの案内板にも書かれています。
石灯籠や「日本百観音霊場秩父補陀所第六番荻野堂」と書かれた石碑のほかに供養塔があります。
供養塔の裏側を見ないとわからないようになっていますが、心求・はまの道しるべ石なのです。久々の心求・はまの道しるべで、「みぎ七ばん」と書かれています。これが供養塔の裏側に書かれているのです。
札所六番への坂道はけっこう急斜面になっています。途中に「地蔵菩薩」と書かれた石碑もありました。
ねがい地蔵のところまで上れば、すぐに札所六番に到着です。
ちなみに徒歩の場合、ここから階段を登って観音堂に行きますが、向かって右に駐車場があって、そちらにもお地蔵様があります。
この入口向かって右にある駐車場のところからの武甲山の眺めがいいと評判です。
境内の六地蔵のところからも武甲山の眺めはいいですよ。余談はここまでにして、六番から七番への順打ちとなると、ここから今まで来た道を戻っていくことになります。
分岐点と書いた萩原商店(みぎ七ばん ひだり 六ばん、八ばんふきぬけの大きめの道しるべ石があったところ)まで戻ることになります。同じ道を歩かなければなりません。
七番を先にするルートではなく、あくまでも六番の次に七番に行く、ということで書いていきます。