下の写真は、札所十番、大慈寺の境内の六地蔵とともに観音堂後方にある山の尾根付近を写したものです。大慈寺の裏山の尾根道は遊歩道になっています。
この前にも書きましたが、大慈寺の入口にある道しるべ石は「左が十一番」で、山門の前にある階段途中の道しるべ石では「右が十一番」と分かれていて、どちらが正しいのかわかりにくいです。札所十番から十一番へは、2通りの行き方があったからという理由のようです。
まずは、下を通るルートから始めます。
山門を出てから参道を歩き、寺標のある入口で右に曲がります。来た道を戻る形で、摩利支天堂の参道があった道の四つ角まで行きます。行きにみた「左 十番から五番 右九番」の道しるべ石があった四つ角です。
そこを右に曲がって、摩利支天堂の方へ向かいます。
摩利支天堂がよくわからなかったのですが、この奥にあるようです。ここの角を道なりに左に曲がります。ちなみに摩利支天像は横瀬町指定の有形文化財です。
この摩利支天堂前の道を曲がってからはまっすぐ歩きます。
この道は少し高台を通りますので、眺めがいいです。道の途中で、「朝日の長者屋敷跡」を通るのですが、場所がよくわかりません。図書館でみた古いガイドブックには、大雑把な場所しか書いてありませんでした。摩利支天堂からそれほど離れず、道沿いに書かれていたのです。道端に積み石があったので、ここ辺りかなと思っています。
「朝日の長者屋敷跡」はこの道沿いにあることくらいしかわかりません。長者屋敷跡があったことを知ったのは、今までも何回か紹介してきた江戸時代の案内記『秩父順礼独案内記』に書いてあったことから屋敷跡をみてみたいと思っていました。
さらにまっすぐ歩いて行くと途中で、左手から道が通っていることがわかります。反対側の札所十一番から歩くと、上の写真のように、その二又の道がわかりやすいです。反対側から来たほうが気づきやすい場所にあるのです。
そこには、「左 十番」と左の端に書かれた道しるべ石があります。逆打ちの人なら、気付くでしょうが、十番から歩いて来ると通り過ぎてしまうような場所です。さらにまっすぐ十一番のほうに歩いて行きます。
さらに歩いていくと、右手に「数術家加藤兼安の碑」が見えました。横瀬町のサイトによると、嘉永元年に建てられたものだそうです。
県道11号にいったん、合流しますが、坂氷の交差点の手前でまた、右の脇道に入ります。
脇道を歩いていくと、前方に国道299号が見えるので、国道まで歩き、そこからは道沿いに右にゆるくカーブした下り坂を歩いていくと、札所十一番の参道に到着 します。
参道の坂道を上っていくと、札所十一番の常楽寺の観音堂に到着します。ここも見晴らしの良い高台にあります。札所十一番までの国道沿いは、左手上方の高台に羊山公園が見えます。
さて、次はもうひとつのルートです。
第2のルートである尾根道のコースです。
納経所の後方、札所十番の観音堂に向かって境内を右に行くと、「遊歩道」と書いてある尾根道のルートがわかります。
上の写真に見える注意書きにも書いてあるように、「近道ではありません」。尾根道を通るのでハイキングコースという雰囲気(「山道」と書いてあるくらい)です。近道ではないというくらい下の舗装された道を歩くコースに比べると、時間は倍以上かかると思います。
立て札にも書いてあるように、札所11番の常楽寺へ行くとともに、反対側に行けば、聖地公園にも行けるという「遊歩道」です。聖地公園は今まで通って来た札所三番方面に戻る形になります。
裏山の尾根道までは、つづら折りになった山道を歩いていきます。
私は、春と秋と季節を分けて遊歩道を通ったのですが、尾根道は春のほうが道端に花があるのが見えていいですね。
なぜか山道の途中では神社のような小さな祠がありました。
道を迷わないようにと、道案内の矢印はありました。
裏山のてっぺんに着き、尾根道に入るところには、行き先が書いてある矢印がありました。十一番の方面は、羊山公園の文字もありました。
ここを札所十一番と反対側に進むと、前にも書いたように聖地公園や札所三番方面に行くようです。私はまだ、聖地公園まで行ったことはありません。ここにも「三番」とあるように前回、祠の中の道しるべ石に「三番」と出てくるのは、裏手の山道を指していたのではないかなと思うのです。
主に春の時に通った写真を使って説明したいと思います。実は春に通ったときは、いったん、下の道で札所十一番に行き、十一番から十番へと逆打ちで尾根道を歩きました。
方向が逆になっていますが、道自体はわかるかと思います。春のときは黄色いレンギョウの花が遊歩道沿いに咲いていました。
途中で視界が広がる場所もあって、そこでは眺めがいいです。尾根道まで登ると、高い場所なので遠くの山も見えます。武甲山も見えます。
尾根道沿いは、十番方面から歩いてくると道の右側に鉄線が貼られています(この時は逆コースの十一番から行ったので、左側に見えますが)。
春はレンギョウの他にも道端にすみれの花も咲いていました。
十番方面からやってくると、このように尾根道の右側、山の西側は鉄線が貼られ、その下には秩父セメントの工場の敷地になっています。
秩父市が立てた道案内の柱です。札所十一番寺の方へ歩いて行きます。
尾根道を歩く遊歩道では札所十一番に到着する前に、上之壹稲荷神社を通ることになります。これは秋に撮った枯れ葉の多い時期のものですが、いつもの「巡礼道」の札がかかっていました。ここに見えるように細い道を通ります。
赤い稲荷神社の鳥居が見えると、上之壹稲荷神社です。社殿に向かって左側から境内に入るようになります。
上之壹稲荷神社は修理したばかりのようで、建物の色が鮮明でした。赤い鳥居が何本も立っている稲荷神社の参道を降りるような形で、札所十一番へと向かいます。
稲荷神社の特有の赤い鳥居の道を下りていきますと、今度は金比羅神社の小さな祠が見えました。
最後の赤い鳥居のところまで下りたら、すぐ目の前が札所十一番の常楽寺です。
目の前に六地蔵も見えるので、すぐ右に行きますと、観音堂に到着です。
上の写真は、十一番常楽寺の参道を下りたところです。右手に大きな石が見えますが、その裏側が今歩いてきた遊歩道です。 春に通った時なので常楽寺の参道には桜が少し残っていますが、桜の見頃の時期ですと、参道では桜の花も楽しめます。
以上がもうひとつの巡礼古道のルートです。