秩父札所の巡礼道を徒歩で道しるべ石や石仏とともに江戸巡礼古道

秩父三十四観音霊場を江戸時代に流行した時のように歩きで周り道の巡礼石を紹介

このサイトは秩父札所と札所の間にある巡礼道に関することを書いています。

巡礼道の石碑などについてだけですので、札所、すなわち寺院については別サイトを参照ください。

札所についてはこちら>>秩父三十四観音霊場、秩父札所の記事一覧

札所十六番から十七番へ

十六番からは、またもと来た道を戻ります。墓所を出たところの塀の下にある「十六番道」の道しるべ石のところまで戻ります。ここで今度は左に曲がります。

 

f:id:rumimarusr:20210624220651j:image

 

まっすぐ行くと秩父駅から伸びる県道208号に当たります。その道を渡る手前右側に札所16番の大きな看板があります。その下には道しるべ石です。

 

f:id:rumimarusr:20210624220639j:image

 

長細い石ですが、「左 十六番道」の道しるべ石です。ここまで秩父市内では道しるべ石も少なかったですが、ここからまた増えてきます。

 

f:id:rumimarusr:20210624220635j:image

 

県道を渡った先には、木の茂みの中でわかりにくいですが、「右 十七番道」の道しるべ石があります。今度は、ここを右に曲がって秩父駅方面に歩いて行きます。

 

f:id:rumimarusr:20210624220729j:image

 

途中で、十六番や十七番へ行く道を示す大きな看板があります。その下には「巡礼道」の案内板もあります。その下に、道しるべ石があるのです。

 

今では「村」とは言えないのですが、道しるべ石には「右 村道 左 十七番」と書いてあります。

 

ここは三角地になっていて、この先でも左に曲がることはできるのですが、この道しるべ石のすぐ前の細い道のほうを通ります。

 

f:id:rumimarusr:20210624220707j:image

 

三角地の先頭の頂点のような場所、左の道から来たなら二又に分かれる場所にも道しるべ石です。「右 十六番道」と書かれた石です。ここの道は残してある旧道なのでしょう。ここで合流してさらに先に直進します。秩父市民病院の前も通って行きます。

 

 

f:id:rumimarusr:20210624220631j:image

 

秩父市民病院の前を通り、秩父保健所の前を通っていきます(道路にも秩父保健所への大きな看板あり)。ここから先は法務局の前まで行ってから右に曲がって坂を登る道が、埼玉県の「歴史の道報告書」に書いてあったみちです。

 

しかし、江戸巡礼古道が他にもあるのか、後の調査で発見されたのか、わかりませんが、保健所の先の四つ角を右に曲がったところにも巡礼古道が残っているらしく、そちらの道のほうに道しるべ石があるというので行ってみました。

 

報告書では、法務局の前まで行くと書かれ、江戸巡礼古道と案内されているのは、法務局まで行かず、手前で曲がるということです。

 

ちなみに法務局まで行かない場合、右へ曲がるところの角には、上の写真にあるように電信柱に「江戸巡礼古道」と案内板がありました。江戸巡礼古道の札と「巡礼道」の札と2つあるので、ここで右に曲がることがわかります。

 

「巡礼道」の札の下に、ここを右に曲がるようにと矢印もありました。

 

f:id:rumimarusr:20210624220620j:image

 

10メートルほど歩くと、民家の空き地のようなところに道しるべ石がありました。「右 十七番道」と書いてあります。そばには「江戸巡礼古道」の案内板もあります。

ここの前の細い路地道を入っていきます。

 

f:id:rumimarusr:20210624220714j:image

 

舗装された道ではないのですが、よく残されていたなと思うような細い道です。写真では道になっていないように見えますね。民家の庭先を通るような細い道です。 道しるべ石にも「巡礼道」の札があります。

 

f:id:rumimarusr:20210624220624j:image

 

道なりにしばらく歩くと、もう少し広くなりますが、それでも路地裏というような道に入っていきます。よく残されていたものだと思ってしまいました。

 

f:id:rumimarusr:20210624220725j:image

 

ずっと道なりに歩いていきます。車も通れないような狭い道ですが、まわりは低い石垣になっている道です。

 

f:id:rumimarusr:20210624220701j:image

 

この路地裏のような細い道を抜けると、少し大きめの道に出て正面に「峰寿司」のお店が見えました。正面には江戸巡礼古道の案内板も出ています。

 

f:id:rumimarusr:20210624220642j:image

 

ここの舗装道路に出てからは右に曲がってゆるやかな坂を上っていきます。周りを石垣で囲まれた坂です。

 

f:id:rumimarusr:20210624220736j:image

 

その坂を上りきると、四つ角があって、右手に「秩父霊場札所十七番 實正山定林寺」の寺標が立っています。 

 

f:id:rumimarusr:20210627015735j:image

 

左に曲がり定林寺の参道に入りますが、その道に向かって右に道しるべ石があって「右 十八番 左 十七番」と書かれています。

 

f:id:rumimarusr:20210624220717j:image

 

向かって左にも石柱があってこちらにも何か書いてあります。

 

f:id:rumimarusr:20210624220732j:image

 

こちらも同じように書かれた道しるべだったのか?文字が摩耗してよく読めませんでした。

  

f:id:rumimarusr:20210624220627j:image

 

余談ですが、定林寺の寺標が立っている四つ角ですが、今ご紹介した細い路地道をぬけてから坂を上ってくるルートのほかに、法務局のすぐ先まで行ってから右に曲がって坂を上ってくるルートもあると書きました。

 

その他にも昔のガイドブックには、定林寺の寺標がある四つ角の坂からみて右から入ってくるルート(寺標に向かって真正面の道)も書いてありました。

 

そちらの道には、定林寺へ向かう道の途中、左側に上の写真にあるように「馬頭尊」の石碑があります。

 

これら3つのルートが書かれていたのを確認しましたが、この3つのルートの中では、やはり「江戸巡礼古道」の案内板通りの道、案内板に矢印で示された道が一番古道らしさがある道のように感じました。

 

あの路地道は住宅地の中なのに舗装されていないあぜ道もあって、人や自転車くらいしか通れないような道でした。よく保存されていたなと思うほどです。

 

f:id:rumimarusr:20210627015746j:image

 

とにかく3つのルートはともに、この寺標があるところには到着しますので、ここからは先は道端に南無観世音菩薩の旗が立つ参道、定林寺への参道へと入って行きます。

 

f:id:rumimarusr:20210627015738j:image

 

参道を道なりに通っていくと、道の突き当りに札所十七番の定林寺があります。桜の開花時期は、このように桜を見ながら巡礼できます。

 

f:id:rumimarusr:20210627015756j:image

 

石段を上がる手前、定林寺の観音堂に向かってすぐ左側に地蔵尊のお堂があります。お堂には念仏供養塔も置かれていました。その小さなお堂の左脇にひょうたんみたいな形の少し茶色っぽい石がありまして、それも道しるべ石でした。土台の脇のところにあります。

 

見落としてしまいそうな道しるべ石ですが、「右 十六番道 左 十八番道」と書いてありました。

 

ここの道しるべ石は注意しておかないと見ないまま通り過ぎてしまいそうです。